ひとり異国の歌をうたう彼女は 空からのあたたかな光に照らされて
まるで彼女自身が その光の一部であるかのように
やわらかく 輝いていた
4.天使祝詞
突然、目の前の少女がくるりと振り返った。
「キラ、知っていました?あれは『天使の梯子』というのだそうですよ。」
ラクスは空を指さす
その指を辿って上を向いてみると、空からすうと一筋、光が降りてきていた
「『天使の梯子』…か。綺麗だね。」
「そうですわね。地球には不思議で綺麗なものがたくさん!」
そういってふわりと楽しそうにまわったラクスに、キラはそっと手を伸ばした
そしてそっと抱きしめる
柔らかくて、あたたかい
自分は一人じゃないと改めて感じることができて、くすりと笑みを零した
「キ、キラ…?」
耳元で少し慌てたラクスの声がする
なにも返事をしないでいると、今度は少し心配そうに声をかけられた
「どうかなさいましたの…?」
ううん。そう返しながら、桜色の髪にぽすっと顔をうずめる
―――ただ…
「ただ、ここにいれてよかったなって思っただけ。2人で。
どんなにつらくて、かなしくても他を選ばなくてよかった。
だってほかを選んでいたら、きっと僕もラクスもここにいなくて、
この風景をラクスと綺麗だなって思えることもなかったんだ。」
「そうですわね。きっと見るものすべてあじけなく、色褪せて見えてしまいそうですわ。」
そういってくすくすと顔をあげたキラと笑いあう。
しばらくして、ラクスは再び空を見上げた
いくつかの苦く痛い思い出と、今という甘く幸せな思いを抱えて
空では、さっきまで光を邪魔していた雲がひいていた。
ほんの少しだった光が澱んだまわりも吸い込んでしまったように、大きく成長してゆく。
そしてラクスは同じように空を見上げ立っているキラの腕を抱えるように掴んだ。
「さぁ、帰りましょうか?」
「あれ、ラクス…もういいの?」
「ええ。それに、ほら。きっとみなさん待っていらっしゃいますわ。ね?」
「…そうだね。母さんににも『あなた一体どこまで買い物に行ってたの?』…って呆れられちゃう。」
ほのぼのと会話を楽しみながらゆっくりと歩き出す。
―――いつかまた2人でみれたらいい
そう思いながら
どこがやねん!!…というつっこみはしてはいけません。
これでもスランプ真っ只中、頑張ってひねりだしたのですよっ!
もうダメ…目がヤバいです。なにも考えられません。
マンネリ化してても「だからどうなのよっ!」って逆ギレしそうなぐらい疲れてます…